ローカルバス白棚線の未来

2020.09.18

福島県棚倉町

Story

福島県棚倉町に行く時に欠かせないのが「白棚線」です。

白河駅から表郷地区を通り磐城棚倉駅までのびているローカルなバスで、「はくほうせん」と読みます。

公共交通機関で棚倉町にむかう場合、東北新幹線で「新白河駅」で下車して(東京から約2時間)、白棚線に乗りかえて40分強です。車を使わない人にとっては町に向かう大事な足です。

しかし、車人口が増えたことと学生客の減少で、路線は厳しい状況と言わざるとえません。

昭和40年前半の全盛期は、朝バス停で乗りきれない学生もいたほどでしたが、今ではそんな光景を見ることはなく、特に昼間はガラガラなことも多くなりました。

そんな中、白棚線を後世まで残そうと立ち上がる地元の人たちがいます。

表郷ボランティアネットワークの人たちがそうです。「I LOVE はくほ」というTシャツを作り、地元の表郷地区の中心を駆け抜けるこのバスを応援してきました。2017年からはバスとその沿線の魅力を発信するフリーペーパー「はくほ」の発行を始めました。(2017年〜2020年まで11号発行)

リンクから内容を見ることができます。

フリーペーパー発行の一翼を担った、黒澤文さんに話をお聞きすると、原体験は仕事で関わった、会津のローカル鉄道・只見線にあるそうです。2011年の豪雨で複数の橋梁を消失した只見線が再開したのは、何よりも地元の人たちの復活を望む声が大きかったからだと言います。

それを見てきた黒澤さんは、ローカルバスを無くさないためには地元から声をあげようと決め、フリーペーパー「はくほ」の発行のほか、カレンダーや観光ツアーの企画、フォトコンテスト等、メンバーと共に精力的に動いています。

ラッピングバスの写真撮影に夢中な黒澤さん。このシャッターチャンスを逃すと次は1時間後。
(撮影:熊谷行雄 かかしまつりフォトコンテスト入賞作品)

黒澤さんはいま、白棚線には可能性を感じていると言います。

一つにはバス専用道路を走るという特徴です。

元々、白棚線は鉄道でした。1916年に鉄道として開業したものの、戦争で廃線になりました。その後、1957年に線路を全国初のバス専用道路(BRT)としていかして再スタート。現在も7.5キロはバス専用道路を走っています。

情報が広まるにつれ、そのことがバス愛好家や写真好きを引きつける魅力になっています。

バス専用道路を走るからこそ撮影できるショット。(写真提供:黒澤文)

もう一つは、白棚線が周辺地域の人や組織をむすびつけているということ。JRバス関東、沿線の福島県白河市や棚倉町、表郷ボランティアネットワークも加わる組織横断の意見交換会で、これからのバスの未来を話しています。

そして、2019年春には、ヨーロピアンスタイルの豪華な2階建バスを白河市から棚倉町まで走らせる日帰り観光ツアーを実施。遠くからバスマニアがかけつけました。

私も参加しましたー!
左側が黒澤文さん。

バスツアーでは白河市での絵付け体験、棚倉町で城跡公園での花見や特産品のマルシェ、山本不動尊の参拝など、自治体の枠をこえ、地域一体でアクティビティーが用意されていました。

このように白棚線の活用を考えることが、自治体や団体をむすびつけ、来訪客に新しいこの地域の楽しみ方を提案するきっかけになっています。

このバスが将来どんな風になっていくか、楽しみですね!

参考:フリーペーパー「はくほ」

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