書いた人:木村郁子
2020.08.10
今日は1200年前、800年頃の平安時代にタイムスリップ!実は福島県棚倉町、古代からの歴史があるんです。
811年、棚倉町を含む東白川郡に駅が設置され、陸奥(むつ、もしくは、みちのく)国と常陸(ひたち)国を結ぶ官製の道ができました。
元々あった久慈川からの水路と、この陸路ができた結果、棚倉町あたりもなかなかの交通量だったそうです。
その証拠に平安時代の書「日本後記」には、棚倉町にある「都々古別(つつこわけ)神社」の名前が出てきます。神事では地域を支配するほど格式の高い神社だったそう。
その神社は現在も存在しています。でもなぜか2つあります。馬場都々古別神社、八槻(やつき)都々古別神社の2社です。いずれも農業の神を祀っています。
まずは現在の役場の近くにある馬場都々古別神社。陸奥一宮(むついちのみや)です。
ちなみに、一宮は平安時代から鎌倉時代にかけて整った神社の格です。各諸国において由緒の深い神社、信仰のあつい神社が勢力を有するにつれ、自然と序列が生まれ、その最上位にあるものが「一宮」とされました。原則的に令制国1国あたり1社を建前にしています。つまりは、当時の偉い人がその国に行く際に最初に挨拶にいくような格式高い神社です!
現在の馬場都々古別神社は一宮ながら質素で、苔がむす静かな神社です。
次は八槻都々古別神社。奥州一宮(おうしゅういちのみや)とされています。
この2社は車で10分程の距離です。どうして1つのはずの「都々古別神社」が2つあるのか、どちらかが分社なのか、真偽のほどはわかりません。馬場都々古別神社は「陸奥一宮」、八槻都々古別神社は「奥州一宮」として、一応、穏やかに棲み分けが行われています。
そんなわけで、歴史好きの方、棚倉町にいらしたら、平安時代からの歴史を持つ2社を参拝してみてください!
参考:棚倉町歴史虎ノ巻
木村郁子
合同会社ふくわらい代表。横浜から月1回、福島県棚倉町に通っています。棚倉町で見つけた食べ物の魅力を「普段着のごちそう」として記録しています。
合同会社ふくわらい