ブルーベリー
blueberries

夏の料理

書いた人:木村郁子

2020.07.27

Story

福島県棚倉町の特産品ブルーベリー。その主な栽培を担うのは「ブルーベリー愛クラブ」という生産者の組織である。2002年、遊休農地を使って23の農家で結成された。

代表の蛭田良昇さん

元はいえばこんにゃくの産地。しかし安い外国産のこんにゃくが流通するようになり農家が減り、代わりにブルーベリーの栽培が始まったそうだ。

年間生産量は約5トン。高齢化によって農家は14軒に減ったものの、自ら加工所でジャムやジュースを製造したり、近年は大手コンビニエンスストアとの取引が始まったりと幅を広げてきた。事務局長の野中喜嗣さんは18年を振りかえり「よく頑張ってきたな」という。2011年の東日本大震災も苦労だけではなく、震災を契機に首都圏でPRする機会が増えたり、加工品の取引が増えたりと、ポジティブに乗りきってきた。

左からブルーベリージュース・ジャム・地域限定販売のブルーベリーパン

ブルーベリーを育てるには冬の剪定が大切だ。春に肥料をやって、根に藁をひく。そして収穫の夏を迎える。6月中旬からハイブッシュと言われる品種が出る。大粒で生食に向いている品種である。7月下旬になるとラビットアイという品種がはじまり9月中旬まで続く。こちらは香りが高くジャムなどの加工品に向いている。いずれも低農薬で育てている。

すっかり町の特産品として定着したブルーベリー。町の和菓子屋「玉屋菓子店」は、夏場、ブルーベリー大福をつくっている。ブルーベリーの酸味とさっぱりした餡のハーモニーで名物になっている。

ブルーベリーにはアントシアニンが含まれ、目に入る情報を信号化する働きを促すそうだ。生食、ジャム、ジュース。いろいろな形で召し上がれ。

木村郁子

木村郁子

合同会社ふくわらい代表。横浜から月1回、福島県棚倉町に通っています。棚倉町で見つけた食べ物の魅力を「普段着のごちそう」として記録しています。
合同会社ふくわらい

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